『お兄ちゃん』

変化

桃「待って、駄目だよ！この人困ってるもん……！」

静(…この子……)

二人のやり取りを見ながら静はどこか感心していた

秋「はあ！？お兄ちゃん、待たせてるんじゃないの？」

桃「すぐ済む！桃が教える！」

掴まれた腕をふるふる振り回しながら駄々っ子のように暴れる桃

秋「ああ、はいはい、分かったから、暴れないの！」

静「なんか……いい」

桃「？」

静「や、何でもないよ」
秋「それより、あなたはどこの人ですか？」

静「あ、ああ、黒鈴だよ」

桃「黒糖？」

真顔でそんな事を言うもんだから静は思わず笑ってしまった

静「あっはははは！ごめん、この子ツボだわ」

秋「も、桃、静かにしてて！」

桃「なんで？秋ちゃんばっかり……ずるいよ」

桃はしゅんとなって俯いてしまった

秋「ちょ、桃？飴あげるからさ」

ﾌﾙﾌﾙ
桃「いらない……」