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暑い。
今日の気温はそんなに高くないはずだ。
なのに、私の肌はじんわり汗ばんでいる。
その肌は誰か知らないおじさんの背中にぴったりとくっついている。
腕を少しでも動かそうものなら、おじさんに肘鉄を食らわせてしまうだろう。
汗をスーツにつけちゃっている上に肘鉄は、いくら私が女子高生でも許されないだろうな、と、今日も両足を踏張りながら思う。
とはいえ、暑い。
周りの人も首筋や顔が汗ばんでいる。
…じっと見ていたら、ちょっと嫌な気分になった。
私はおじさんの肩ごしに見える窓に目を向けた。
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