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「……神楽や。調子はどうだい?」
「…………………………………」
薄暗い一室に、明正と節乃が前に垂らしてある、簾の向こう側の相手に優しく声をかける。
「さっきね。薬を売っている薬売りさんが来てな…なかなか若い男でね」
「…………………………………」
「顔も、うふふ。中々いいおのこだからきっと神楽も気に入ると思うの。あたしが若かったらきっと誘ってたかもしれないわ」
「おい、お前」
「あら、ごめんなさい。つい…」
一見からして特に何も変わった所のない、親子での楽しい会話。
しかし、二人が娘である神楽に向かって話しかけても、一向に返事は返っては来なかった。
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