かぐや姫

7/20
前へ
/221ページ
次へ
「……薬売り様。お食事の用意が出来ましたので此方へ……」 「はい。分かりました」 襖越しに現れた女に薬売りは着いて行く。 「少し…お話しを伺っても、宜しいでしょうか……」 「何でしょうか?」 「何故…神楽姫は人と会うのを拒むので?」 その質問に、女性は一瞬迷いを見せて口を僅かに開けさせた。 「……姫様はご病気をお持ちなのです」 「病気を……?」 「はい。今まで色んな薬を試してきましたがどれも効かぬ薬で、最終的に一人奥の部屋へ閉じ籠ってしまいました……」 「そう、だったんですか……」 「……着きました」 どうやら食事の間へ着いたようだ。女は襖を開ければ彼専用の豪華な食事が置かれてあった。 二人は中に入り、薬売りはお膳に座る。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

267人が本棚に入れています
本棚に追加