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「……薬売り様。お食事の用意が出来ましたので此方へ……」
「はい。分かりました」
襖越しに現れた女に薬売りは着いて行く。
「少し…お話しを伺っても、宜しいでしょうか……」
「何でしょうか?」
「何故…神楽姫は人と会うのを拒むので?」
その質問に、女性は一瞬迷いを見せて口を僅かに開けさせた。
「……姫様はご病気をお持ちなのです」
「病気を……?」
「はい。今まで色んな薬を試してきましたがどれも効かぬ薬で、最終的に一人奥の部屋へ閉じ籠ってしまいました……」
「そう、だったんですか……」
「……着きました」
どうやら食事の間へ着いたようだ。女は襖を開ければ彼専用の豪華な食事が置かれてあった。
二人は中に入り、薬売りはお膳に座る。
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