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真っ白な世界。耳も顔も全て塞ぎたくなるような激しい吹雪の中――。
故郷を捨て放浪の旅をしている、絵描きの少女リリナ・アンリ(リリイ)と、黒い刀を持つ少年ミツキ・クロナ(ミク)は、とある学園近くで遭難していた。
リリイの絵の具の材料を採取しにやって来ていた二人は、この雪原を半日以上も抜けられず。もう体力も限界。しかもそこへ、巨大で狂暴な魔物(くまさん)まで現れ。ミクはリリイを守る為に自分の刀で必死に戦う。が、深手を負い意識を失ってしまった。
リリイ「ミク! ミクぅっ……!!」
ミクを必死に揺すり呼び掛けるも、返事はない。
身体はとうに芯まで凍り。そして、魔物がゆっくりとリリイの目の前へ。絶体絶命。睨み付けられ――。ミクの刀は踏まれ、容易く折られてしまう。
しかし、そこにたまたま居合わせた死神ジュデアと、この国の第二皇女カジュリアに助けられる。
リリイ「っ!! だれか……助けてっ」
泣くのを我慢しながら、ミクの上にかぶさり守ろうとするリリイ。魔物の爪が、リリイ目掛けて降ってくる。
カジュリア「うっらっ! 喰らえ――。 “メディバルヴィー”!!」
ジュデア「“シクラディツェラ・マータ”!!」
魔物を、禍々しい黒炎と眩しく輝きを放つ青炎が襲う。
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