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「いってぇ……。」
体を起こすと、そこは見慣れない場所だった。
「どこだ?ここは?学校に行く途中だったのに……。」
すると突然、後ろから誰かが滑利之助の肩を叩いた。
「うわっ!」
滑利之助は驚いて振り返る。
「やあ、おはよう。神様だよ。」
「はぁ?」
滑利之助の目の前には、白髪に白髭に白装束で自分の事を神と呼称する変な人がいた。
「あのね。君は今死にました。」
神様(仮)はいきなりそう告げる。
「死んだ!?何だって!?じゃあここは天国で、お前は本当に神様なのか?」
滑利之助は状況を把握出来てないかと思いきや案外出来ていたが、かなりうろたえている。
「ちょっと違うな。ここはまだ天国じゃないよ。ただ、私は神様だ。」
神様は優しく答える。
驚きやらショックやらで言葉が出ない滑利之助に神様が続ける。
「ときに滑利之助くん。いや、あだ名で呼ぼうか。スベリンくん。君に相談なんだけども。」
スベリンとは、滑利之助の学校でのあだ名そのものだった。
「今、地獄に住んでる悪魔達が地上に出て来てなんやかんや悪い事やってるんだよねぇ。スベリンくん知ってるだろう?最近不審者が多いの。あれ、実は悪魔なの。」
スベリンはポカーンとして聞いている。
「聞けよ。」
「……あ、ゴメンゴメン。いざ死んでみると、『ウコンって並べ替えると本当にウンコになるなぁ』ってことばっかり考えちゃって。」
「いや、どんな思考回路してんの!?それは置いといて、相談というのはだね、君に戦士として悪魔達を倒して欲しいんだよ。」
「戦士に?俺が?」
スベリンが怪訝そうに聞き返す。
「そうさ。」
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