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スベリンは困っていた。
一体どうやってクラス全員をスケート場に連れて行けば良いのだろう?
ただ誘ったのでは仲の良い友人しか釣れないだろう。
全員を釣り上げる良い方法を、スベリンは考えていた。
「あーでもない……こーでもない……苦しゅうない近う寄れ………………これ良いな。新ネタ1つ出来たぜ。」
スベリンは呟きながら偶然出来た新ギャグを、自前のネタ帳に書き込む。
「動きはどうしよう?こうかな?こうかな?」
一人でブツブツと、手を動かしながら新ギャグに合わせる動作を考えるスベリン。
「おい、白家。ボーッとしてるんじゃないか?今は授業中だぞ。」
教師が注意する。
「……ッ!!ハイ!桜田門外の変ですか!?」
「……数学の授業だぞ。落ち着け。」
教師は、その後は深く追及せずに授業を再開した。
スベリンは、着席した後も依然としてギャグの動きを模索していた。
「クラスみんなをスケートに誘う方法」を考えていたはずなのに、いつのまにか「新ギャグの完成」に目的がすり替わっていたことに気付いたのは、放課後になってからだった。
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