11人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ、赤鬼」
「何?」
「もし私がアナタと交配したら、何か出来ると思う?」
「そりゃ、出来るとするならば鬼と人間のハーフだよな。普通に考えて」
「そもそもアナタ達の生殖って我々のソレと仕組みは同じなの?」
「わかんない。」
「でも染色体とかそれらを取り巻く色々とが合致しなさそうよね」
「ミノタウロスって知ってる?」
「知ってるわよ。私達側が作った話じゃない」
「それに近いんじゃないかな。人間のフォルムに角が生えてたり、指が6本だったり」
「そう、それは、ユニークね。」
そう言って文子は開いていた雑誌に再び目を落とした。
俺達は早朝の山手線に乗り東京駅を目指している。
文子は俺をディズニーランドに連れていってくれるらしい。
恋人同士なら誰しも通る天王山だと言っていた。ここで一日を越える事でやっと御互いの距離感を学べるのだと。
牛頭天皇は居ないが愛嬌のあるネズミが迎えてくれる。
最初のコメントを投稿しよう!