第2話 運命のオーディション!?

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緊張しながら封を開けると── 「うそ!? ちょー嬉しい!! 書類審査合格──最終審査のご案内だって!!」 「あら、よかったじゃない。大騒(さわ)ぎして応募した甲斐(かい)があって」 最終審査に進んだってことは、審査員であるカノンに会えるってこと。 (……でも、オーディションの最終審査って、どんなふうなんだろ?) あたしはカノンに会いたくて応募したけど、他の子はもちろんモデルを目指してて、当然かわいい子ばっかりで……。 そこに自分が並ぶところを想像したら、急に不安になってきた。 「あたしなんかがオーディションに参加なんて、やっぱりおかしいかな……?」 「行くだけ行ってみたらいいじゃない。せっかく最終審査まで残してもらったんだから」 「そうだよね、こんなチャンス滅多にないんだし……」 キレイな子たちに混じって、モデルの審査を受けるのは恥ずかしいけど、生のカノンに会えるなんて、これが最初で最後のチャンスかもしれない。 「……うん、行ってみる! 最終審査!」 どうせ行くならベストを尽(つ)くさないとね! ってことで、お母さんが出ていった部屋で、鏡の前に立ってポーズを決めてみる。 ポスターの中のカノンと、同じポーズ。 だけどあたしがやっても、なんだか様(さま)になってない。 (同じようにしてるのに、何が違うんだろ……) 「あ~あ」 ため息をついて鏡をのぞきこむ。 小麦色に焼けた肌と、どうしても好きになれない自分の顔。 お化粧なんか、もちろんしたことはない。 (魔法使いがいたらいいのに) みすぼらしいシンデレラをお姫様にしてくれた魔法使いが、あたしをカノンや彩みたいにキレイな女の子にしてくれたら。 ──そうしたら佐久間先輩にもあたしのこと、気づいてもらえるかもしれない。 「でも魔法使いなんて、いないもんね」 あたしだって、もう子供じゃないからわかってる。 肝心なところはまだまだ子供なのに、そんなことばっかり分別(ふんべつ)がついて。 大人になるって、あんまり楽しいことじゃないみたい。 カノンが微笑むポスターを見上げて、あたしは深いため息をついた。
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