雪の降る街で――

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さて...食器を片してリビングに戻る。 「ついてきな」 女の子の手を引いて脱衣場まで連れていく。 手早く制服を脱いでハンガーに掛ける。 女の子はただ棒立ちになって脱衣する様子はなかった。 「なんだぁ?いっちょまえに恥ずかしがってんのか?」 からかって服を脱がせにかかる。 女の子は驚いてじたばたと暴れ出した。 「こらこら、んな暴れんなって!」 暴れ方が尋常ではない。 目に涙まで浮かべて必死に抵抗している。 「だぁ~!観念しろっての」 裸にひん剥いて浴室に放り込む。 浴室に入ると女の子は我が身を庇うように両手で防御の姿勢を取って涙目でこちらを見上げている。 「取って食やしねーから、ほら」 抱き寄せて頭からシャワーを浴びせる。 散々抵抗するので両足で挟んで身動きを取れなくする。 その時 女の子の背中、 普通の女の子にあるはずのないもの。 いつかバカな男が自慢げに見せてきたそれは――― 根性焼きとか言ってた、タバコを肌に押し付けた跡。 それが何ヵ所も女の子の背中にあった。 あまりの事に言葉が出なかった。 「・・・クソが、最悪だ」 吐き捨てるように呟く。 全てが繋がった。 あんなところに一人で膝を抱えていたのも。 頑なに脱衣を拒んだのも、全部――― (・・・何で) 何故、こんなことをするのか。 何故、こんなことができるのか。 行き場のない、やるせない怒りが沸いてくる。 手で顔を覆ったまま、震える女の子の肩を怯えさせないようにそっと抱いた。 震えが収まるまで、ずっと...
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