272人が本棚に入れています
本棚に追加
「兄さん。そろそろ着きそうだよ」
「ん…あぁ、やっと着くか。ったく、何でオレがこんな遠い所まで来なきゃいけねーんだよ」
「仕方ないよ。大佐に頼まれた仕事だし」
「わかってるけどよー……」
「それに、ほら。賢者の石についても、何か手がかりがあるかもしれないし。ね?」
「んーそうだけどさー……なんつーか、とりあえず……」
「ん?」
「寒くね?」
ハックション!!と、盛大なクシャミをしながら言うオレの名前は、エドワード・エルリック。弟のアルフォンスと一緒に、北へ向かう列車に乗っている。
「それはそうだよ。今冬なんだし。おまけに、アメストリスの北側まで来たんだし」
「くっそ~~。なんでこんな寒い時期に、わざわざ北なんだよ!大佐のヤロー、帰ったら文句言いまくってやる……」
「まぁまぁ。大佐に頼まれた事が終わったらすぐ帰ればいいじゃん」
「あぁ……」
心地好く揺れる列車の中で、ブルブルと震えながら、オレは大佐に言われた仕事の内容を思い出していた。
最初のコメントを投稿しよう!