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大丈夫、怖くないよ
次起きたら忘れてるだけ、
―でもね、愛野さんは愛野さんだから。
(違うよ、怖くて泣いてるんじゃない)
ぼんやり見えなくなっていく視界、
「………ごめん…ね…」
俺も泣いてるけど、きっと君も泣いてるから
(そんな顔させてごめん、ごめんね)
(誰か思い出せないけど、きっと大事で、大切な…)
…―おやすみ、愛野さん
あなたが全て思い出したとき、また会いましょう―…
(ねむたい)
(もう、目があけられない……)
(…そんな顔させたくないのに、思い出したいのに…)
落ちていく意識の中懸命に手を伸ばす。
ぎゅっと握られた手のぬくもりに安心して俺は目をとしだ。
(…おやすみ、なさい)
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