私、『暴発☆田中花火(仮)』と申します。

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 え、これでもダメ?基準低いって言った割に全然じゃないですかー。  ああ、もう! 「どっかーん!!」  これでもダメだったら意地でも断念させてもらいます。  するとあきなちゃんはぱちぱちと拍手をして私の肩をがっしりと掴みます。 「いいじゃん!やっぱやればできる子なんだよ、田中は!まだまだ(仮)は外せないけど、ランクアップももう目の前だ!」  他人の喜びを自分のことのように喜べるあきなちゃんはやっぱりスゴい人なんだと思います。がくがく揺さぶられて頭がくらくらしてきたけど、これもあきなちゃんの喜びの表現です。少し我慢です。でもあきなちゃん力強いー。あんなに細い身体のどこからこんなパワーが生まれるんでしょうか? 「行くよ、田中!」  どこに? 「決まってんじゃん。ウチの行きたい所に行くの。最後の休みくらい思いっきりはしゃぎたいじゃない!」  あ、やっぱり私に決定権はないんだ。 「田中も来るよね?来ない訳ないよね?ていうか来い」  あー、否定権もないんだ。 「明日からガッコ始まっちゃうんだから!時間は少ないわよ!精一杯遊んでぢごくの学校生活を乗り切るんだから~~!!」
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