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「内申下げられたってウチの天才ぶりは変わらないの!つーか気安く話しかけんなっつの」
あきなちゃんは内海先生からぷいっと顔を逸らして、目を閉じました。
「はっ!嫌われたものだな!加藤のそんなところが可愛いんだよな!ははははは!」
内海先生は本当におかしそうに高笑いをします。
私は内海先生のこの高笑いがちょっと苦手です。
「早く消えてよ。正直気持ち悪い」
あきなちゃんは内海先生を見もせずにぴっぴっと追い払うような仕草をします。
「そんなことを言われずともすぐに去るよ!しかし加藤!キミにはチカラがある!私にもだ!協力し合った方が良いと思わないか!?それじゃあな!」
内海先生は力強く腕を振りながら、私達に背を向けて去っていきました。
チカラってなんでしょ?
あきなちゃんがようやく首を戻してこちらを向き直りました。
「はー、ホントにウザい。チカラチカラって自惚れてんじゃないって!アンタのなんて劣悪種じゃないのよ!」
……?
あきなちゃんの言ってることがよくわかりません。
チカラってなんですか?
「ん?言ってなかったっけ。ウチって超能力者なんだよね」
へー。
って、ええええええぇぇえ!!
「あはは、何その顔。ウケルー」
ウケルー、じゃないですよ!初耳ですよそんな事!ていうか本当ですか!?
「うん、本当」
そんなアッサリ!
「だってウチにとってはチカラがあるのが普通だし、そりゃアッサリにもなるよ。それにしても田中はよく信じるね」
そりゃ信じますよ。あきなちゃんは私に嘘ついたこと無いですもん。幼稚園から今までずっと。
そう、あきなちゃんの正直なところも好きなんです。
「そうだったね。でも田中気付いてなかったんだ。ウチさー、結構何度も田中の前でチカラ使ってるよ?」
へ?
使ってたんですか?全然気付きませんでしたよ。
超能力って物を動かしたり相手の考えを読み取ったりですか?
「んーん。全然違うよー。ウチはね『誰にも負けない』ってチカラなんだよ」
『誰にも負けない』?
「そう『誰にも負けない』。誰かと競うときに負けたくないって思うと絶対に負けないんだよ」
……それって超能力ですか?たまたまじゃないんですか?
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