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ヴァルキューレ
紅い空、黒い雲、非日常の風景が広がる。
少し前はいつものような青い空が広がっていた。
しかし、休日の平和な町に突如現れたREVOLUTIONIZE(レボ)による破壊活動によって人々は命を奪われていった。
町の住宅街から少し離れた所に二人の少年がいた。
良「大翔(ヤマト)、なんだよ…アイツらは…。」
そんな中、一人の少年はそう呟いた。
大「レボだろ、学校で習った。けどあれってよその国で活動してたはずだよ。なんだってこの国に…。」
良「REVOLUTIONIZE…世界革命でもしようってか?バカ野郎…。とりあえず家が無事とは言えないけど、戻ろう。確かレボは機械使ってんだろ?お前の家に刀あっから、それで身を守ろう。」
大「どうやってだよ!アッチは機械で銃だぞ!?」
良「成せば成る。」
二人の少年は火の上がる住宅街へと走っていく。
その間レボの侵略は進み、住宅街はほぼ制圧されていた。
二人は住宅街の入り組んだ路地を使って大翔の家へとたどり着く。
大「刀一つしか無ぇぞ。どっちが…」
良「お前持っとけ。俺は死にたくないしさ。」
大「…なんか緊張感無くすよ、お前といると。」
良「褒め言葉として受け取ろう。」
二人は大翔宅を後にし、町から出ることを決めた。
大「とりあえず町出てからはそん時決めよ…」
パァン!!
路地を出ようとしたが、レボの兵(機械)が大翔の反応をキャッチしていた。気が付かなかった大翔は驚き、硬直してしまう。
大(ヤベェ…死んだ。)
大翔は死を覚悟した。目の前にはレボの兵達が、路地には良徳がいるために戻るわけにはいかない。
良「大翔っ!こんのぉ!バカ野郎がぁっ!!」
路地の奥にいた良徳に気付かなかったレボの一人が跳び蹴りをくらい宙を舞った。
良(死ぬかよ、こんな理不尽な殺され方されてたまるかよ。生きるんだよ。死なねぇんだよっ!)
そんな時だった。良徳が一瞬光に包まれた。光が収まった時、そこにいたのは黒髪で普通の眼をした良徳ではなく、紫のロングコートを羽織り、深紅の瞳に白髪と、まるでおとぎ話だった。
大「ヴァル…キューレ?」
ヴァルキューレ、世界を平和へと導く者。
おとぎ話が現実となる物語の始まりだった。
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