はじめに

1/1
前へ
/40ページ
次へ

はじめに

携帯小説は、独特な文化を構築してきた。 それに最もらしいのは、「見やすさ」の概念から起った、改行の多さ。(ここでは改行ワールドと言わせてもらう) 私は、改行ワールド自体は否定しない。活字が並ぶ文庫本――ビジネス書に触れる若い人間が少なくなった今、改行ワールドは三つほど、革命をもたらしている。 一つ目は、読みやすさ(見やすさ)という観点において、大幅な進化を遂げた。 二つ目は、改行の数により臨場感を演出するという、新たな技法が生まれた。 三つ目は、オノマトペの乱用が自然に見えてくる。(これは主観的かもしれない) だからここでの私は、改行を多用している。 [しかし――]私は、これから書く小説を、改行ワールドに漬らせようとは、微塵も思っていない。 読者の方々には、その私のプライドを理解してほしい。 私は、改行ワールドよりも、従来[小説]に使われてきた書き方を尊重する。 たとい、携帯小説であろうとね。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加