第一章 幻想の現象

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 というか、一応そういうのが俺の仕事なのだ。  名目上では補佐だからな。  誰の補佐をしているのか、というのは今は言わなくてもいいだろう。  どうせ、後で望まずとも、顔を合わせることになる。 「まあでも、喧嘩とかは無いな」 「無いの?」 「何も無ければ、別にする理由も無いだろ。割と仲良くやれてる方だと思うぞ?」  とはいえ、あれを仲良くと言って良いのかどうかは、正直なところ微妙なのだが。  単純に仲良く、というよりは俺の方が振り回されてる、という感じな気がする。  いや、勝手に俺が空回りしてるのか?  いやいや、それは無いな。  どちらかといえば、向こうの方が明らかに空回りしている。  もはや暴走だ。 「何よそれ。惚気?」 「……だから、何でそうなるんだよ」 「あーあ、やだやだ。良いわね、年頃の暇な男は毎日が楽しそうで」  妙におばさんくさい感じで、からかうように言った。  いつもは結構クールな感じだし、珍しいテンションだな。 「そんなんじゃねぇよ。仲良くはやれてると思うけど、あくまでもそこまでだろうし」 「そこまでって?」 「少なくとも、惚気れる程仲良くはないってこと」  なるほど、という言葉を発しながら、博麗は俺から視線を外した。  どうやら、この話はこれで打ち切りなのだろう。  博麗の少しつまらなさそうな表情が、それを物語る。  納得した、というよりも何だか、諦めたという感じだ。 「お茶、冷めたんじゃない? 容れ直す?」  もう面白いことはないと判断したのだろうか。  そう言いながら博麗は立ち上がり、俺の横に置かれている湯呑みに手を伸ばそうとしていた。 「あ、いや、俺はもう良いよ。というか、そろそろ出ないとまずいんだよな」 「あら、何かまだ予定でもあったの?」
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