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退屈だ。
退屈過ぎる。
初夏ということで、外は無茶苦茶暑い。
教室のクーラーは壊れていて、教室もぶっちゃけ暑い。
窓の外を見ると、木々の葉が青々としていて嫌なくらい爽やかだ。
ここは星条高校の二年B組の教室。そして、一応授業中。
暑さのせいか、教室にはだらけた雰囲気となっている。
授業を真面目にうけてるのは、人生で勝ち抜くために大学進学を考えている奴らぐらいだ。
まあ、今は就職難だしなあ…。
こんなだらけた学校生活。親がいたらガミガミ言ってくるだろーが、そんな親も十年前に逝っちまった。
だからといって寂しいわけじゃないし、生活も、堅実な両親がしっかり貯めていた遺産があるから大丈夫。アルバイトは自由に使える金欲しさにやってるぐらいだ。
将来やりたいこともなく、大学に行きたいわけでもないから、今が退屈でしかたがない。
朝起きて学校へ行く。
授業があって、部活をやっていないから、そのままバイトへ。
バイトのあとは、帰って、飯食って、風呂はいって寝る。
そんな毎日に変化があるわけでもないから、退屈だ。
楽しみといったら月一の雑誌くらい。
退屈だ。
退屈過ぎる。
そう思っている間に、授業は終わり、ホームルームになっていた。
ホームルームが終わり、掃除当番と居残って勉強するやつ以外は、鞄をもって帰り始める。
さてと…。
俺もバイトにいっか!
今日はなんの余りの弁当をもらえるのかと考え始める。
こんな男、波村幸孝(ナミムラユキタカ)の人生は、今日この夜、平凡さを奪われることとなる。
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