B217

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
退屈だ。 退屈過ぎる。 初夏ということで、外は無茶苦茶暑い。 教室のクーラーは壊れていて、教室もぶっちゃけ暑い。 窓の外を見ると、木々の葉が青々としていて嫌なくらい爽やかだ。 ここは星条高校の二年B組の教室。そして、一応授業中。 暑さのせいか、教室にはだらけた雰囲気となっている。 授業を真面目にうけてるのは、人生で勝ち抜くために大学進学を考えている奴らぐらいだ。 まあ、今は就職難だしなあ…。 こんなだらけた学校生活。親がいたらガミガミ言ってくるだろーが、そんな親も十年前に逝っちまった。 だからといって寂しいわけじゃないし、生活も、堅実な両親がしっかり貯めていた遺産があるから大丈夫。アルバイトは自由に使える金欲しさにやってるぐらいだ。 将来やりたいこともなく、大学に行きたいわけでもないから、今が退屈でしかたがない。 朝起きて学校へ行く。 授業があって、部活をやっていないから、そのままバイトへ。 バイトのあとは、帰って、飯食って、風呂はいって寝る。 そんな毎日に変化があるわけでもないから、退屈だ。 楽しみといったら月一の雑誌くらい。 退屈だ。 退屈過ぎる。 そう思っている間に、授業は終わり、ホームルームになっていた。 ホームルームが終わり、掃除当番と居残って勉強するやつ以外は、鞄をもって帰り始める。 さてと…。 俺もバイトにいっか! 今日はなんの余りの弁当をもらえるのかと考え始める。 こんな男、波村幸孝(ナミムラユキタカ)の人生は、今日この夜、平凡さを奪われることとなる。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!