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「お前の役割はわかっているな。」
「わかってる兄さん。」
目の前に立つ兄さんは鋭い視線を投げかけてくる。
「俺は兄さんの願いを叶える為に落ちる。兄さんも俺の願いを叶えてくれる事、忘れてないよね?」
身震いしてしまいそうになる体を抑えて負けじと睨み返した。
「ああ、無事に戻ってきたら叶えてやろう。」
喜びで体が震えた。
自由になれる。
この退屈な世界に縛られることもなく、自由に飛べるんだ。
そのためには・・・
「行ってきます。」
自然と上がる口角。
僕は兄さんに背を向けて、落ちた。
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