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実際、本当にそうなった
町をぶらついていて疲れていた所にちょうど喫茶店があり、金銭的にも余裕があったのでとりあえず入る事に。喫茶店に気軽に入る年齢(9歳)ではないのは承知していたが、入った瞬間にお客の大半がこっちを珍しそうに見てきたのだ。だが少年は動じず、威風堂々とした態度で、近くの空いてる席に座る。端から見れば、大人びてるな。とか思うかもしれないが、内心では若干緊張している。とりあえず緊張を紛らわすためにメニューで顔を隠しながら何を注文するか考える事にした
(この場合何にするべきか……)
かれこれ20分近くメニューとにらめっこ中の少年。最初は緊張のためだから、中々決まらないんだ。と思ってたが、今は表情から少し焦りの色が見える
(自分が優柔不断だとは思っていたが、まさか此処までとはね)
半ば自分に呆れつつも、メニューから目を離さすことはなく、今も何にするかを真剣に悩んでいる
「何かお困りでしょうか?」
その言葉が、自分に向けられたのだと気付くのに時間はいらなかった。少年はメニューを閉じて顔を上げる
「「……あ!」」
こうして二人は偶然の再開を果たした
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