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その次の日、リリアとアイリスの二人は『日課』となっている小宮の掃除を大至急で終わらせ、早くもダランの家へと向かった。
何のため?
勿論ダランから様々な話を聞くためである。
因みに『日課』とは貨幣概念のない海中世界において秩序を保つため、役割を当てることによって個人が責任を持つように、と紫神が考えた仕組みである。
更には不平等がないように、とその内容はローテーションで回ってくる。
先日にアイリスが口にした『仕事』も日課のことであり、『小宮』とは海王を始め、紫神を奉っている建物である。
「ダランじい、おはよー!…あれ?」
洞窟の奥から返事が返ってこないことを考えると、どうやら彼は不在らしい。
「どうするアイリス?ダランじい出掛けてるみたい、出直そうか?」
「そうね…。中に入って待っていましょう?大丈夫、昨日のうちにちゃんと許可は取っているわ。」
彼女の言葉に促されるまま、二人は洞窟の中へと入っていった。
勿論その場所ですることは昨日と…いや今までと同じである。
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