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「ふむ、これは『いらっしゃい』と言うより『ただいま』と言ったほうが良いのかな?」
二人が至福の時を満喫して半刻過ぎた頃だろうか、ダランはのんびりとした様子で帰ってきた。
「おかえりなさい。」
「お邪魔してます。」
口々に言い、今手元にある―――リリアは絵本を、アイリスは『ティア・ドロップ』を元の位置へ戻そうと立ち上がった。
「いや、そのままで構わんよ。限りある物を大切にすることはとても大事なことじゃ。その気持ちを持ち続ける限り、物は生き続けるからの。それに何よりワシはお主らを信じておるからの。」
「「ダランじい…。」」
二人が彼の言葉に感極まった時だ。
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