『人魚姫』

13/24
前へ
/266ページ
次へ
  『アクア・ファング』が東海で発生して数刻後。 アイリスは友人の何人かと連れ立ってその現場へと向かっていた。 信じられない、その心情はその一言だ。 昨日ダランじいに話を聞いたばかりで、すぐに事が起きるなんて―――。 彼女としてはすぐにでもリリアと落ち合い、このことについてダランの所へ訪れたかった。 だが、リリアの姿はどこにもなく、その行方は誰も知らなかったため―――一人でその現場へ向かうのも気が引けて、数人で行く事になったのだ。 現場はすでに人だかりが出来ており、けれど大きく残った傷跡は遠くからでもハッキリと見えた。 「―――酷い…。これが『アクア・ファング』の威力なんだわ…。」 アイリスはポツリ、呟いた。 が、周りの友人たちは聞きなれない言葉に興味を示した。  
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加