43人が本棚に入れています
本棚に追加
「これは…絵本、かしら?一枚しかないけれど…ッ!?」
手に取った一枚のページの文字を何気なく目にして、アイリスは息を呑んだ。
『人魚姫』そう書かれてあったのだ。
「これって…リリアがいつも読んでる本、よね…。絵だって、同じだわ…。それに昨日はこんな場所には何も落ちてはいなかった…!」
昨日小長に呼び出されたアイリスは、そしてダランたちの予想通りに失せ物の依頼をしてきたのだ。
やっぱりね、と肩をすくめた彼女だったが、至急というだけあって失くした物は貴重品だった―――はともかくとして、それを探す際にこの場所も隈なく探したのだ。
「…あら、あそこにも、あっちにも落ちてるわ…。」
そうしてアイリスの手には数ページにわたる、絵本の欠片が集まったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!