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「ダランじい…ッ!」
「アイリス…。だいぶ具合の悪そうな顔色をしておる。」
「アクアッ、ファング…が…ッ。」
余程急いで来たのだろう。
ダランの指摘通りアイリスの顔色は青ざめ、息もすっかり上がっている。
それでもダランに会えた事で緊張の糸がプツリと切れたのだろう、その場にへたりこんだ。
「少し休むがいい。…ワシも今朝方、見てきた。あれは…あの跡は―――南海で見たものと同じじゃった。暫くあの場所は立ち入り禁止となるじゃろうが…、小長殿たちの話では怪我人は居らぬそうじゃ。不幸中の幸いじゃの。」
怪我人は居ない。
その言葉にホッとため息をついたアイリスだったが、次の瞬間再び息を呑むことになる。
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