『人魚姫』

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  尋ねられたアイリスはそれに答えることなく、無言のまま手に持ったソレをダランへと渡した。 「―――!?こ、これを…どこで…?」 今度はダランが青くなる番だった。 間違いなくバラバラのソレは、彼が彼女に渡したものだったからだ。 声は震え、喉が異常に渇く。 上手く声が紡げない。 やっとの思いで口にした問いに、アイリスは項垂れたまま答えようとはしなかった。 「答えるのじゃ、アイリス!」 言葉にならずとも、ダランには答えは安易に予想が出来た。 出来てしまったのだ。 が、それを認めたくなくて、違う答えを求めて。 けれど返ってくることのない答えが、何よりも彼の予想が正しいであることを明確に示していた。  
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