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問題はここからだ。
彼女は悩んだ。
事実を突き止めようにも、果たして誰がそれを知っているというのだろう。
誰も知らないという可能性の方が遥かに大きいのだ。
ダランじいに相談しようにも、彼はいつ帰って来られるか判らない。
そこまで考えて、アイリスははた、と思い出した。
この海全てを見守り、導く、神を呼ばれるその人の存在を。
そう思ったら、その後は速く、どこまでも速く駆けるだけだった。
紫神の住む所も、顔も、何もかもを知らないけれど、体は、意思は。
同じものを求めている。
幸いにも彼女には第六感と呼ばれるものが備わっていたのだ。
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