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よく晴れた月曜日だった。
空は雲ひとつな澄みきっており、それがまた清々しい。
そして僕はその空の下で、広い草原に寝転がり。
「あー、いい天気だ。気持ちいいなぁ」
などと、ゆったりとのんびりとしていた。
というのは今、現在の僕の願望。
ここはそんな天気や風景とはまったく関係ない、草原の草の字もない、学校の校舎の中。
「どうなってるんだよー!!」
とタイル張りの殺風景な廊下を全力で走っている。
一旦振り向き、廊下に誰も居ないことを確認してから、2階に続く階段をかけおりた。
そして、続けて2階の廊下をまた全力で走るということを繰り返す。
「ッ……!!」
さっきまでいた3階の方から地の底に響くような咆哮が聞こえてきた
「ウオオォォ!」
少年は一度体を震わせ、再び後ろを振り返ると、通りかかった教室へと飛び込むようにして入った。
入ると同時に扉に鍵をかけ、全てのカーテンを閉め、部屋を暗闇にする。
「スゥ…ハァ…」
すっかりあがってしまった息を整えるために深呼吸をしてみる。
あまり意味はなかったが、気分は落ち着いた。
耳を澄ませば、階段を何かが降りてくる音が響いてきた。
奴が来た…。
教室の扉に座り込み、息を潜めた。足音を聞き取る
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