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「一体どうなってるんだよ…。これは夢なのか?」
後ろから聞こえる咆哮を聞き、震える声で呟く。
教室を見回す。
暗闇に包まれた教室には、人影は誰一人として見当たらない。
「ここにも誰もいない…。皆はどこに行ったんだ…?」
奴から逃げている最中に多くの教室を通った、が中には人が全くいなかった。
ここも他と同じように誰もいない。時刻はまだ昼だ。入学式だったから、生徒はまだ居る筈だった。
見ると机の上にはシャーペンや消しゴムなどさっきまで誰かが使っていたみたいに無造作に置かれている。
「もう皆、逃げたのかな…」
それで取り残されたのか? という考えが不安にも頭をよぎる。
しかしおかしい…。
一人や二人ならともかく学校の生徒全員が逃げたのなら、それなりに騒がしくなる筈だ。
さすがに僕でも気づく。
「それじゃあどこに消えたんだ…?」
と座りながら考えていると、廊下の方から聞こえてくる足音に気づく。
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