天才と呼ばれる高校生

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  「おーっす!」   「おう!オハヨー」     次々と生徒たちが教室に入ってくる。     ここは男子高。 その2年A組の教室だ。     「いや~今日、数学だよ」  「オレ、サボるかな~」     生徒たちが、そんな会話をしていると担任の先生が入ってきた。   「おまえら静かにーっ!席に着け!出席とるぞ~。秋山~は今日も遅刻か。あとは~…」     「天才くん以外いま~す」    窓際、一番後ろの席の生徒が言う。     「天才くんか…笹野…」     この天才くんというのは2年生になってから ほんの数日しか登校していない生徒 『笹野 幸羽 (ささの ゆきは)』だ。     彼は、天才と呼ばれるほどの頭脳を持っている。   学校に通ってはいるものの、勉強しなくても良いくらいのものだ。     しかし、それが仇となりイジメられ不登校となってしまった。       さて、その笹野 幸羽の様子を見てみよう。       ここは笹野家。天才と呼ばれる幸羽の自宅だ。     その2階のカーテンがしまっている場所。そこが、彼の部屋。     彼の両親は共に、仕事で出かけているので 昼間は一人きりだ。     彼は不登校だが 両親のいない間に家の中の掃除をしたりする。   あとは、自分のしたい事をしている。     とはいえ、家からは一歩も出ない。 家に鍵をかけて誰かと会う事も避けている。   しかし、そんな彼を両親はけして責めたりはしなかった。
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