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今日に限って雨が降るなんて、ついてない…。
「雨だね」
「うん…」
今日の朝は急いでたし、そんなに雲ってなかったから大丈夫だと思ったのに。
濡れて帰らなきゃいけないなんて…最悪だ。
雨のばか!
憂鬱な気分で溜め息をつくと、隣に立っている裕翔くんが後ろを振り向いてあ、と声を漏らした。
「どうしたの?」
「ちい、後ろ見てみな」
素直に後ろを向くと、廊下にお兄の姿。
廊下の柱にもたれ掛かってどこか遠くを見ている。
高校の制服が眩しい!
「お兄!?」
慌てて廊下に出ると、お兄はにっこり笑って傘を掲げて見せた。
「侑李が傘持って行ってなかったみたいだから、迎えに来た」
「…!」
なんなんだお兄。なんでさらっとそんなかっこいいこと言っちゃうんだよお兄。迎えに来たとかなんなんだよお兄。
…かっこよすぎだよお兄!
「お兄、大好き!」
「はいはい。ほら、先生来たから早く教室戻りな?」
「はぁーい」
お兄に頭を撫でてもらって、嬉しくなった僕はご機嫌で教室に戻った。
お兄、傘一個しか持ってなかった!
つまり相合い傘して帰れる、ってことで…どうしようすっごく嬉しい!
雨ありがとう!
(はげ教師話長いんだよもう!早くお兄と相合い傘して帰りたいのに!)
(侑李達のクラスHR長いなー…)
End
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