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―6月。
梅雨と初夏が交じり合う頃。私は仕事と子育てに追われながらも満たされない気持ちと心の乾きをごまかしながら毎日を過ごしていた。
愛する人は隣にいない。
「4月までに必ず戻ります。そしたら僕達、結婚しよう!」
そう約束を交わした彼は今隣にはいなかった。
2月の誕生日前日、私に会いに来てくれたのが最後。
だんだん連絡は少なくなり1ヶ月前の5月、「僕の事は忘れて幸せ見つけて下さい。」そう電話越しに告げられた。
余りにショックな出来事だった。
安定剤を何十錠も飲み自殺を図ったけど、結局私が命を絶たれる事はなかった。
きっとこれは心から誰かを愛した人じゃないと分からないかもしれない。
その位私は彼を愛していた。
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