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暗闇のなかから階段を上る音が聞こえる。
部屋のドアを開ける
?『駿介、起きろ。朝だぞ』
駿介『もう少しいいだろ。父さん』
総一『今日は入学式だろ。いきなり遅刻じゃカッコつかないぞ』
駿介『わかったよ』
総一が部屋を出るのを見て駿介はベッドから起き上がる。4月の頭はまだまだ肌寒い。真新しい制服に袖を通す。少しばかり気が引き締まるのを感じた。部屋を出て、1階に降りテーブルに座る。そこには父親の総一、母親のさとみ、弟の耕平と孟がすでに朝食を食べていた。
さとみ『いつまで春休み気分でいるのよ?』
耕平『兄ちゃんは休み中も寝てばっか』
孟『駿兄ちゃん友達いないの?』
駿介『うるせーな』
総一『今日から高校生なんだから少しは自覚しろ』
家族からヤイヤイ言われながら駿介は朝食を食べ終わる。
駿介『ご馳走さま。行ってきまーす』
そう言って玄関に向かい、外にでる。歩道の脇に植えられた桜は満開だった。それを見るとなんとなく足取りも軽くなる。
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