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駿介は部屋でテレビを見ていた。すると階段を上がる音が聞こえる。足音からして父の総一のようだ。総一はドアを開け部屋に入る。
総一『入学式はどうだった?』
駿介『普通だよ』
総一『普通なもんか。一応父さんも卒業生なんだから雰囲気くらいわかるよ』
帝国高校は駿介の父親と祖父の母校でもあった。
駿介『別に。総番の高橋とかいう人がクラス代表決めろとか言ってたくらい』
総一『懐かしいなぁ。でどうだったんだ?』
駿介『俺が代表だけど』
総一『そうかそうか』
総一は嬉しそうに頷いた。
総一『ほれ、入学祝いだ』
そう言うと手に持っていたスカジャンを投げて渡した。
駿介『年季はいってんなぁ』
総一『じーさんの形見だよ。父さんも学生の時着てた』
駿介『てかやけに重くない?なんで?』
総一『それは秘密だ』
駿介は首を傾げながら、
駿介『ありがたく貰っとくよ』
と言い学ランの横に置いた。
総一『明日から忙しいぞ』
笑いながら部屋を出る父親の背中に見ながら駿介はため息を吐いた。
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