風見幽香のお花畑 後編

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「───"詰めが甘いわ"」 先程、幽香が放った言葉が聞こえてきた。 言葉は続ける。 「ただまあちょっと驚いたわ。忘れてた、貴女の力を。……ああもう、ドレスが破れたじゃない」 それは大妖怪八雲紫の言葉。 その声色には微かに憤怒が入り交じり、この世界を震え上がらせる。 「まあ幸い、隠すべきところは隠せたけど」 「無様ね、大人しく負けましたって言えば──」 幽香の目の前に隙間が展開されていく。 大きな黒い大穴。その先は虚空。 "それが何であるかに"気付いた時には遅かった。 「……まさか隙間で飲み込んだ!?」 轟、と爆音が響き、雷撃の槍が幽香を直撃した。 燃え盛るような痛みが幽香の思考を邪魔していく。ああもう、私の力を利用する機転だけは正解。 だってこれは私の魔力だから。 "ただ判断が遅れたから直撃した"だけ、消し去ることなんて容易い。 爆音が消え去り、燃えような痛みが引いていく。
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