第4章 無音の響く涙。

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(私がアンドロイドだからアキノリさんが苦しむんです。) そう答えを自分で出すたび、ルイはなんだか言い知れぬ感覚に陥った。 モーターが今にも理不尽な動きをするような、ヒューズが飛ぶような何とも言いがたい感覚だ。 (もしも私に心があれば……) ルイは考えていた。 (私に心があれば、もう少しアキノリさんに近づけるはず。人間に近づいてアキノリさんを傷つけないで済むはずなのでは?) 僕の鼓動を感じていた頭部を浮かせて、ルイは僕の寝顔を見た。 その幸せそうな寝顔を見て、ルイの違和感は大きくなっていく気がした。 (なんだか変……。) 仰向けになり、眠っている僕の手をしがみつくように握った。 目を開けて真っ暗な部屋の天井を見上げて、ルイはその違和感の原因を知ろうとした。 だが、それは答えのわからないものだった。 (どうして?何がどうなって……怖い……。) 一度握った僕の手を離し、両手で自分の胸に手を添えた。 モーターは動いていた。 だけど、いつもと違って不規則さが響く。 夜はスッポリとその輪郭を隠し、僕とルイの境目を消したように見せかけた。 いつもそうだ。 夜はいつも優しいふりをして、全てを包むふりをして、本当は何も隠さず月の灯りの下で全てを照らし出す。 ルイは静かに目を閉じた。―――――
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