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朝、自然と目が覚めた。
隣にいるルイに触れると、温かくて僕は嬉しくなる。
それはいつもの休みの朝と変わらなかった。
眠ったふりをしたまま触れて、そして、目を開ける。
「おはようございます。」
そう。
いつも僕が目を開けた瞬間、ルイは僕を見て言うんだ。
それが僕にとっての幸せな一日の始まり方だった。
だけど。
今日はその声が聞こえない。
確かに僕の隣にいるルイを見ると、いつもは目を開けているルイが目を閉じていた。
眠っている……はずはない。
「ルイ?」
僕の声は恐ろしく震えていた。
胸の上に置かれた手を掴んで呼びかけたが、ルイは目を覚まさない。
動かない体に僕の頭の中は真っ白になった。
揺すってもルイは目を覚まさない。
それどころか、温かい体はその温度に反して一切の動きを止めていた。
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