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―――でも、耳に届いたのはそんなんじゃなかった。確かに、応援は聞こえているが、それはオレの嫌っていた曲じゃない。
バッターボックスでバットを二度回し、構える。
これは、なんだったっけか。
そんなことを考えていると、ピッチャーのボールがミットに収まっていた。
ストライク。まずは一球目か。ふうと息を吐き、ベンチの監督を見る。
サイン無し、打って来い。
隣じゃナインのみんなやベンチの奴らが声を張り上げている。
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