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そう思ってもやっぱり
認めたくなくて…
私は歩きながら泣いた。
小さな小さな子供みたいに…
「でん助…でん助!!…帰ってきてよ!!でんちゃん…」
きっとその時の私を目撃した人が居たならば…中学生があんな大声で泣いてるのを見て笑ったかも知れない。
家に着きゴン太を繋ぐと私は玄関ででん助を抱きながら泣き叫んだ
「嫌だよ!!帰ってきて!!でん助!!………」
神様…でん助を帰して下さい
でんちゃんは何も悪いことなんてしてないでしょ?
ただ人に心が開けないそれだけなのに…
何で私からでん助を奪うの?
返して…返してよ…
「返せ!!…でん助を返せー!!…………うっ…うう…でん助ぇ……許さない…でん助を引いた奴…絶対に許さない」
私はでん助を抱きしめながら何度も何度もそう叫んだ…。
私はお母さんに電話をかけるが繋がらない。
何回かけても繋がらない…
だから
出張に出掛けているお父さんにもかけた。
「どうした?」
「でん……け……が…」
「何?オカンが死んだ?よかったな」
お父さんが冗談を言っている。
でも私はそんなことどうでもよかった。
「でん助が…死んじゃったぁ…」
「はあ?!なんで」
「事故った…」
「……そりゃあ…しょうがねぇよ」
「ヤダー」
「…今から帰るから、帰ったらお墓作ろうな」
「うん…」
電話を切った私はでん助を抱えたままおばあちゃんの家に行く。
どうしても一人でいたくなかった
「おばあちゃん…でん助が死んじゃったぁ」
「え!?…どうしたんだい?………あっこらこら…抱っこしてるんじゃないよ」
おばあちゃんはでん助を見てビックリしたように目を見開いた。
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