でん助

3/4
前へ
/25ページ
次へ
でん助がある程度大きくなると、家のなかではなく、外で飼うようになった。 今思うことは、 でん助を家のなかで飼ってたら…でん助は、まだ生きてたんじゃないかなって…。 でも…外にいるでん助はとても生き生きしてた。 でん助は、臆病だった。 猫のくせに、子供(私と同年代くらいの)が好きで、大人には一切なつくことがなかった。 家族で唯一心を開いてくれたのは私だけだった。 お母さんやお父さんには、触らせるものの、コンクリートみたいにカチンコチンに固まってしまう。 だかお父さんは、でん助のことを別名〔セメント〕って呼んでた。 私が家の中にいると『中に入れて』とでも言うように窓のところでニャーニャーないてた。 中に入れると、私から離れようとしなかった。 私が勉強しているときは、いつも膝の上か机の上で私のことをみてた。 .
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加