゚・+ひみつの飴玉★+゚

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【ひと】     ひとは やすらぎを求めて 彷徨い 歩いている。   小さな箱を両手に   その中に いるものだけ詰めて 箱がいっぱいになったら いらないものを 捨てていく。   道先で 誰かに出会い 一緒に歩き いつかどこかで また別れる。   その時 お互いの箱にある 何かを交換したり 捨てたり もらったりしながら   時には奪ったり 奪われたりしながら   また ひとりで歩きだす。   やすらぎの地を 求めて。       いつか出会った人や 昔通りすがったひとや 一緒に歩いたひとに   また出会ったりしながら   その時とは違う お互いの箱の中の物を 見せ合いながら     辿り着いた やすらぎの地。     それは ひとりだけのものだったり 誰かとのものだったり     けれど終わりはなく また時がたてば 歩きだす。   それもひとりだったり だれかとだったり     ひとはずっと 彷徨い続ける。
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