16人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
【道】
ずっと一緒に歩いた
ふたりだけの道。
あたしは弱虫で
あなたの手を
ぎゅｯと握って
歩いていた。
歩き疲れて
立ち止まったら
あなたが一緒に
座ってくれて
疲れがとれるまで
静かにお話を読んでくれた。
靴擦れして
歩けなかったら
何もいわずに
おんぶしてくれたね。
一緒に観た満月がきれいで
あたしは
あの満月がほしいと
だだをこねて
あなたを困らしたね。
いつも
横にあなたがいて
いつでも
あなたの声がする。
ひとつの道が今
ふたつにわかれて
別々だけど
もう迷わないよ。
どんな時だって
あなたが味方だと
わかってるから
別々でも
遠くても
心は近くにいるから。
いつかふたりで
同じ道を歩く時
また満月だったなら
その光すべて
私にください。
あなたに半分
あげるから。
最初のコメントを投稿しよう！