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「どこへ行く?」
「私は…お邪魔のようですので………」
「何を言っている?お前はここにいろ」
「は?」
「聞こえなかったか?お前はお嬢様の護衛なんだろ?だったら俺がフローラに危害を加えないように見張ってないとな?」
「貴様っ!?」
「棗様と呼べ。塵が」
俺に殺気を向けるアルガッドを無視して俺はフローラに再び振り返る。
フローラは青い顔で震える手を身に纏うドレスにかけている。
俺の笑顔があまりに美しすぎたのか、目が合うとビクンと身体が硬直する。
どうやら俺に対して怯えているようだった。
何故かは分からないが。
だって考えてもみてくれ?
こいつと俺は初対面だ。
その相手に殺しを依頼したのである。
それなりの報酬を頂くのは至極当然のことだろう?
で、あるならばだ。
今から起こることは当然で仕方のないことなのだ。
うん。そうに決まってる。
「どうした?早くしろ」
「あ…ああ…」
フローラは絶望に染め上げた顔を隠すように項垂れ、服を脱ぎ始めたのだった。
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