第一章:こどく→

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司令室に入るとオペレータの人達がコーヒーを飲みながらも忙しそうに任務をこなしていた。 「相変わらず、ですね。」 「そんなことはない。最近は敵からの目立った攻撃がある訳でもないしな。地球捜査のために情報を集める程度、彼らの様なトップのオペレータには簡単すぎる作業さ。」 モニターの前にある椅子に腰を下ろす准将。 「褒めても何も出ないのは知ってますよね?」 「コーヒーなら出てくるがな。」 コーヒーカップを両手に持ち、モニター側から歩いてくるオペレータはため息を吐く。 「持ってこない方が良かったかしら。」 「ははは、オペレーターを信じているだけだよ。上官としてあたりまえだろう?」 デビットさんは全く悪気のない笑顔を向けて机に置かれたカップを持ち上げる。 「またそんな事言って…あ、そういえばあの子。基地に到着した様です。」 「そうか、連絡は取れる様にしたか?」 はい、と頷くとメモされたファイルをデビッドさんの端末に移す。 「では、私はまだ仕事が残っているので」 データの移動が終わると急いで配置に向かって走り出す。
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