第一章:こどく→

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「警告、10時12時方向からロックオン。」 危機を報せるブザーがコックピットを響かせる。 「11時より実弾兵器確認、退避して下さい。」 苛立ちを感じながら足に力を加え、移動に全力をかける。 「左腕部装甲に被弾、只今より訓練機AI01はサブアームを使用して損傷部位の整備に回ります。索敵を手動に変更します。」 踏みつけているペダルはべたりと床についていて、背中にかかる重みも次第に強くなる。 勝手に整備を開始したパートナーの電源を落とし、手動でサブアームを仕舞ってみせる。 「最初から黙ってれば良いって、何回いえば理解するんだ。」 さらに加速すると、先程の攻撃でついた亀裂が大きくなって行く。 左手をバーから離してディスプレイを二つ引き出す。 「整備画面、手動射撃マップ画面起動。」 声を受けると二つのディスプレイはそれぞれの画面に切り替わる。
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