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ガチャガチャと音を立てて料理の用意をしている。
アタシはソファーに置いてあったクッションに顔を埋めて、料理が出来上がるのを待っていた。
不意に話しかけられる。
「すいません。急に呼び出したりして」
「気にしなくていいよ。
それより待たせて悪かったね。待ってる間、ヒマだったでしょ」
「大丈夫ですよ。日記書いたり、筋トレしたりしてましたから」
「日記ねぇ。春は相変わらずマメだな。アタシなんて三日以上続いたことないよ」
感心しきっていたアタシに春は探るように尋ねた。
「今日は泊まってくる予定でした?」
アタシはうーんと低く唸ってみせる。
「最初は泊まってもいいかと思ってたんだけど、急にめんどくさくなってね、帰ってきちゃった。
そもそも付き合ってる訳じゃないし、泊まるのはどうかなと思ってさ」
「付き合ってなくても寝るんですか?」
その言葉に嫌味は無く、ただ素直に疑問をぶつけただけのようだった。
「そこはつっこまないで頂きたいっ!!」
アタシが声を張り上げておどけると、あははと軽く笑った。
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