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「基本的に来る者拒まず去る者追わずの精神だから。
そういうのがアタシのダメなところなんだろうけどね」
まるで反省の無い言い方にも、咎めることはしない。
「出来ましたよー」
そう言ってキッチンから運んできたのは赤いマグカップ二つ。
春はテーブルの上に白いマグカップを優しく置いて、アタシの左側にあるひとり掛け用のソファーにちょこんと座った。
アタシはマグカップを覗くと同時に、えー、と不満を漏らした。
「何これー」
「ホットミルクですよ」
「お腹すいたって言ったのにぃ。
何か食べたーい」
「こんな時間に食事をしたら太ります。
そんなことになったら俺、優希さんの恋人さん達に怒られちゃいますからね」
春は熱々のホットミルクを火傷しないように慎重に口に含み、胃に流し込む。
仕方なしにアタシもホットミルクに口をつけた。
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