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審判・奈津美にPSPホンダを略奪され、手持ち無沙汰になってしまった。
ゲームなんて興味ない僕は、鞄の中にある愛読書(最近、読み始めたばかり)を取り出し読みふけていた。
奈津美はというと、ハニーと呼ぶPSPホンダに怪我などないかと夢中。
嗚呼、ほど好く降り注がれる陽射しに体を温めてもらいながら、たまに耳を掠める鳥の囀りに耳を傾け読書する‥
平和そのものを肌で感じる一時こそが、しあわせ。
なんだけどねぇ‥、
「なにするの?」
手に持つ愛読書に気付いた奈津美は、ハニーと呼んだPSPホンダをほたり投げ、僕の手から愛読書を取り上げた。
ふ、所詮PSPホンダへの愛はその程度なんだね。
コンクリートに叩き付けられたPSPホンダは無残にも擦り傷がついている。
本体から少し離れた場所にある黒い物体は、多分というより絶対、部品か何かだろうね。
不機嫌に奈津美を見上げれば、目を見開いて仁王立ち。
「あのねぇ~~ッ!!」
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