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キレイさっぱりになった僕は、湿った鞄に手を伸ばしたが‥
「コレは、俺が預かる」
「そ、そんなっ!?
そ‥、それが‥ないと‥‥」
顔を覆い隠す物がなくなった僕は、両手で一先ず隠した。
どうするんだ、僕!?
大事な防具を奪われた僕に死亡フラグがっ!!?
こんなんじゃ出歩けないじゃないかあああああああああ!!!
「汚い物を被って城内を歩かれては困る」
僕の豆腐ハートを一刀両断した小十郎さんは、鞄を持って執務室から出て行った。
出られない!出られないぞ!?
出口が目と鼻の先にあるというのに、この部屋から出られないなんてっ!!?
「こんな密室堪えられない‥」
「密室じゃねぇだろ」
「うっ、うるさいぞ‥‥!」
「よっちゃん、怖ぇって。
白魚のような指の間から見える目玉が怖ぇよ‥」
「僕だって怖い!
真っ暗闇から、お天道様の陽射しを直に受ける地表に出てしまったんだ‥‥
干からびて死んじゃうよ‥‥」
「お前はミミズか!?」
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