平和SARABA!

7/10
前へ
/81ページ
次へ
愛読書を持つ手がわなわなと震えている。 君をほったらかしにして読書をした僕に怒ってるのかも‥。 ほったらかしにした事は謝りたいけどね、口より先に手が出た君に謝る気分にはならないよ。 「アタシの中の‥、よっちゃんはねぇ‥、‥‥」 一言、一言を区切りながら紡ぎ出す奈津美を睨み据え、後に続く言葉を待った。 怒るのは勝手だけど、先ず僕の愛読書を返して。 奈津美のわなわな震える掌で、僕の愛読書が、くしゃくしゃと悲鳴をあげてるよ‥。 あれれ、睨み据えてる奈津美の姿がぼやけてる‥、もしかして僕、マジ泣き寸前? 「Σ真っ白純白の処女キャラなんだからああああああ!!!」 「Σ真っ昼間、しかも学校の屋上で何言ってやがるッ!!!」 ビリビリ‥、 何の怒りか知らないが、てか、知りたくもないが、怒りに身を任せ、僕の大事な愛読・官能小説を破り裂く。 ちょ、おまっ‥、泣くよ? ポーカーフェイスがカッコイイと憧れて、ポーカーフェイス気取ってる僕、泣くよ? →
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加